「JAGAT info(ジャガットインフォ)2016年3月号」
日本印刷技術協会発行 JAGATinfo(ジャガットインフォ)2016年3月号にpage2016カンファレンスの記事を掲載していただきました。
バリアブル印刷やペーパーDMと連動したマーケティングオートメーションサービス「DMA」の実績紹介についての内容です。
マーケティングに生かせるDM
株式会社小松総合印刷代表取締役社長 小松肇彦氏/営業部 塩原実氏
小松 当社は長野県にある(本社工場長野県伊那市、従業員30人)印刷会社である。どこにでもある地方の総合印刷会社だったが、2000年にアメリカの厳しい現状と先端事例を目の当たりにして、「何か変わったことをやらなきゃ」と思って導入したのが、菊半裁6色UV印刷機である。正直に言って、当時も今も、6色の仕事はほとんどない。しかしUV印刷機はパウダーが必要ないことから追い制り・可変印刷のデジタル印刷機との相性がよく、デジタル印刷機を入れて、オフセットとデジタルのハイブリッド環境にしている。圧着DMなどの最終製品として出荷しなくては商売にならないので、後加工機も充実させている。圧着製品は年間5500万枚生産している。2015年にはバリアブルの中綴じ製本機も入れ、冊子の可変の仕事を増やそうと考えている。
現在の設備はUVオフセット4台のほか、2014年に導入した「HPIndigo10000」と、オフセット印刷機のインラインインクジェットヘッド「KodakProsper」POD機6台などである。
塩原 データベースの情報をどのように整理し、どうやって質の高いデータにレベルを上げるかが大事である。顧客企業が消費者の名前、住所だけでなく、性別や趣味、購買・来店履歴などを取得して活用する手助けをしたいと考えた。
そこで開始したサービスが「DMA」である。消費者の行動のログを取ることで次の販促に生かす。「デジくじ」というサービスと組み合わせて、反応がなかった消費者にリマインドDMを自動的に発送するなどをしてレスポンスを上げる狙いである。
例えば飲食店チェーンの事例がある。半年以上来店のない客に割引券の当選DMを毎年行っていたが、マンネリ化でレスポンスが下がっていた。そこで「デジくじ」を採用いただいた。DMの宛名はイメージ、バリアブルで制作し、個別のQRコードを印刷する。するとアクセスした消費者の氏名や日時、実際に来店したかどうかも履歴が取れる。Webにも誘導できる。この仕組みで、例えば3日以内のアクセスが60%だとか、最長で83日後のアクセスが確認できたといったデータが取得でき、「キャンペーンを90日以内に延長しよう」とか「リマインドDMを送ろう」といった次の販促に生かせる。お客様からは「レスポンスが3%から約8%まで上がった」「面白いという消費者からの声があった」などの評価をいただいた。